専門医じゃなくても
あまとうです!
先日、SBIRTS(エスバーツ)普及セミナーに参加しました。
SBIRTSとは、簡単に言うと、アルコール問題がある人を早く見つけて、早く対応して、長く支援するのを地域(病院、自治体、自助会)で連携して行う、というもの(詳しい説明は最後に書きました)。
大阪から来てくださった辻本士郎先生の基調講演では、依存症を取り巻く状況などのお話がありました。
その中の一つ、アルコール関連問題の問題点として挙げられた「3つのギャップ」は、自分の夫の場合や自助会への参加、このサロンを通じて感じていることが数字で裏付けられていて、納得でした。
1. 治療ギャップ:依存症治療につながる人は約5%(しかいない)
2. 自助グループギャップ:自助会とつながる人は専門医療受診者の20%以下(しかいない)
3. 治療期間ギャップ:一般医受診から専門医受診まで平均7.4年(もかかる)
私の「うん、うん」の頷きが一番大きかったのは、3番目の治療期間ギャップ
私の夫は、
・既にかなり飲んでいた頃に下咽頭がん(主な原因はタバコと酒)の治療受けましたが、治療が終わった時に医者に「お酒は控えてください」と言われたのをいいことに飲み続け
・連続飲酒になり体調が悪く近所の内科に行き、私がお酒問題を話したのに「酒飲みは仕方ないんだよ」と言われ
・さらに体調悪化で中核病院に行ったら、血液検査の結果を見て「肝臓の値が少し悪いですが、治療するほどではありません」
と言われました。
専門病院につながるまでに数年を要しました。
この間の家族(私)のがっかり、辛さと言ったら・・・
一方、夫はがんの治療には超スピーディにつながりました。
・喉の調子が悪いと近所の内科に行ったら、耳鼻咽喉科(近所にある〇〇病院)に行くように言われ
・耳鼻咽喉科では、先生が中核病院にその場で電話を入れ初診の診察時間を確認した上で、ここからタクシーで行くように言われ、
・中核病院で「がんですのですぐに治療を」と、詳しい検査結果と紹介状を渡されました
がんの治療が始まるまで2か月かからなかったと記憶しています。
アルコール依存症の早期発見・早期対応を目指すなら、一般の病院で「お酒をやめなさい」「依存症の専門病院に紹介状を書くので行きなさい」「専門病院の予約を入れます」と強力に治療につなげて欲しい。
一般医が、がんならばそうするけど、アルコール依存症には消極的だったとしたらとても残念です。
次回のおしゃべりサロンは
2月14日(火)10時ー12時
@稲毛区ボランティアセンター
です
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SBIRTS: Screening, Brief Intervention, Referral to Treatment and Self-help groupsの略
Screening(ふるい分け):「飲酒度」をチェックする
Brief Intervention(簡易介入): “危険な飲酒”患者には節酒を勧め、 “乱用”や“依存症”患者には断酒を勧める
Referral to Treatment(専門医療の紹介):専門治療の必要な患者には「紹介」を行う
Self-help groups(自助グループへの接続):医療機関や健康診断機関のスタッフが強力に自助グループへの参加を推奨する
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