入院中の家族の気持ち&開催報告
6月10日(火)第86回おしゃべりサロンを開催しました(参加者8名)
今回は福祉機関の職員おひと方が参加してくださいました。
みなさまありがとうございました。
参加者の家族(アルコール依存症)が入院したことを受けて
①アルコール依存症者が入院している時の家族の気持ち
②食道静脈瘤破裂のメカニズム
③退院後の食事や生活上の注意
について紹介しました。
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5年前、息子がアルコール病棟に入院する時
彼は私に言いました。
「お母さんはこれですごく楽になると思う。
今迄どんなに大変だったかわかるよ」
その時は意味がよく分かりませんでした。
でも確かにそうでした。
息子と離れてみて初めて私は自分の状況に気付きました。
息子が深夜コンビニに行く時のドアのガチャ音に目が覚める
そしてハラハラしながら戻って来る迄の時間を計る
…時間を計ることにどんな意味があったのか今や謎でしかありません
財布からお金を抜かれないように注意を払う
…「盗るな」というメモよりも「〇円在中」の方が抑止力になりました
クローゼット、タンスの引き出し、ベッドのすき間など
部屋のあちこちから空き瓶・空き缶を回収し、水ですすぐ
…イネイブリングと言われても
日常生活には「イネイブリング上等!」と
言いたくなる状況がある、と開き直ってみたりして
「具合が悪くてクリニックに行けないからお母さんが薬をもらってきて」
と頼まれては自分の予定を切り上げたり変更して駆けつける
…昼夜逆転していたし酔っ払っていたし
本人が行けるはずなどありませんでした
深夜明け方を問わず
ろれつが回らない口調でかかって来る電話
…真面目に対応していましたが最終的には気付かなかった振りをするようになりました
ザっと振り返っただけでも思い当たる事がゴッソリ出てきます。
渦中にいる時は気付きませんでしたが
これだけの時間と労力と心労。
これが入院した途端、全部なくなったのです。
当然思いますよね
「退院しなければいいのに」って。
これは自然な感情です。
家族はムリに面会に行く必要はないし
面会しない自分を責めることもありません。
これ以上傷付かないために距離を取ることも
今は関われないという気持ちも
尊重されていいはずです。
入院は家族にとって
本人との適切な距離を思い出し
生活をリセットする良い機会になるでしょう。
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