食道静脈瘤と食事
肝硬変による食道静脈瘤を抱えて
アルコール依存症者が退院することになりました。
食道静脈瘤を破裂させないため
どんな食事にしたらいいのでしょうか
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食道静脈瘤は無症状です。
唯一の症状は破裂による出血。
吐血したり下血したり。
なんせ食道の静脈瘤は内圧でパンパンに膨らみ
その表面は薄く、破裂しやすくなっているのですから。
そんな静脈瘤が隆々している食道を食物が通っていくので
食事には静脈瘤を破裂させないための注意が必要です。
①刺激の強いものは避ける
香辛料の多いカレー、カフェインを含むコーヒー、熱すぎるもの・冷たすぎるもの
もちろん酒は肝臓に負担をかけ
食道静脈瘤の悪化を招く可能性があるので止めましょう
②硬い食べ物は危険
せんべい、小魚のおやつ、ナッツ、骨のある魚、フランスパンなど
硬いものや尖ったものが
食道表面の膨らんだ静脈瘤に当たると
破裂する可能性があります。
食べ物はよく噛むことで食道への負担を減らすことができます。
③消化しやすい柔らかい食べ物がよい
うどん、おかゆ、豆腐など。
でも柔らかいからといってひと口でたくさん食べると
食道を通る飲食物の量が多くなり
静脈瘤を圧迫して破裂するリスクがあります。
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どれだけ制限するかは食道静脈瘤の状態や
治療内容によって異なりますが
それにしてもなかなかハードな内容です。
でも1~2年以内の再発率は50~75%です。
つい「食事に気を付けないとまた破裂するよ!」
と言いたくもなりますが、ここは
「食事に気を付けたら再発しないよ」(←言い過ぎ)
と言うのがCRAFT流ですね。
ただ、死亡率を左右するのは出血量ではなく
基礎疾患である肝硬変です。
肝硬変の重症度が死亡率の決定的因子になるのですから
断酒が最優先課題になるのは間違いありません。
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